冬キャンプと言えば「薪ストーブ」憧れますよね~。
そんな薪ストーブの中でも最強とも言えるFIREGRAPHIX BLISS-SP。
なんと、ついにキャンプの師匠がBLISS-SPを入手しました。
BLISS-SPを堪能する貴重な機会にめぐまれましたので、これは徹底的に解説しなくてはなりませんね!
FIREGRAPHIX BLISS-SP
FIREGRAPHIX BLISS-SPの公式Webサイトはコチラです。
薪ストーブを検討中の方は一度は目にしたことがあるかもしれない、FIREGRAPHIX BLISS-SP。
他の薪ストーブを凌駕する圧倒的な性能に終始驚くばかりでした。
BLISS-SP、徹底解説
設営、据え付け
専用収納バッグで持ち運んだBLISS-SP。

中には薪ストーブを扱うときに必要なグローブや着火アイテムなども一緒に入れることができます。

まずは設置する場所、安定した場所を選び、炎を楽しむための「座」の位置もこの時点でしっかりと決めます。

地面に直置きにはせず、スタンドを使用します。

スタンドはガッチリと噛みあわてグラグラしないように要チェック。

どりゃ!っと持ち上げて…

うん。グラグラしていないですね。バッチリ。
重量はそれなりですが、持ち手が付いているのでかなり設置しやすい。
余裕で冬キャンプに持ち込めます。

置いた感じはこんな感じ。
カッコよ…。
設営、煙突
BLISS-SP本体の中に煙突類一式を格納してあります。
移動の際はガタガタしないように、くしゃくしゃにした新聞紙などを詰めておくとGood。


煙突ガードを取り出して、さらにその奥に煙突が収納してあります。

煙突はマトリョーシカ方式。
大きい煙突の中に小さい煙突、その内側にさらに小さい煙突、といった具合に全て収納されています。

これを一本ずつ繋げていくのですが、番号が振ってあるので間違える心配はご無用。
順番も上下の向きも間違えず、しっかりと連結していきます。

薪ストーブに嵌めるとこんな感じ。薪ストーブの上に置いてあるのは煙突の一番先端に取り付けるトップの部分です。
根本と比べると上に行くほど細くなっているのがわかりますよね。

BLISS-SPの煙突ジョイント部分ですが、素晴らしいのは「天板に干渉しない」ことです。
多くの薪ストーブでは本体の天板に直接ジョイント部分がありますが、BLISS-SPはアングルで「横出し」にしてあるので、天板がフルに使えるんですよね。
これメチャクチャ重要!
湯沸かし、保温、調理を全部同時にできるだけの広々スペースが確保できるうえに、ストーブファンも置いたまま移動させることは一切ありません。
設営、幕への配慮
テント内に設営するので「煙突幕除け」が必須です。

スライド式の煙突幕除けを伸ばして、ネジを閉めこんで固定します。

煙突とのドッキングはバランスを見て調整します。


煙突がガードの中央にくるように、三方向からネジを閉めこんで固定します。
作業時には手袋推奨です。

幕に煙突を貫通させる前にしかできない作業なので、この部分の固定は師匠がしっかりと確認します。

煙突のトップはこんな感じ。
火の粉で幕に穴をあけないようにする意味がありますが、そもそもBLISS-SPだと火の粉の心配はありません。

師匠のテントはテンティピで、BLISS-SPはもう何度か使用していますが、幕に火の粉の穴が開くなんてハプニングはいっさい皆無ですね。

煙突ガードのネジ部が引っかからないようにゆっくりと通していきます。

うん。完璧。

外から見てもしっかりと突き出ていて、位置もバッチリですね。


周囲をグルっと一周。曲がったり引っかかっている部分もありません。
存在感

テント内でこの存在感です。
ガラス面がピカピカで写真を撮ると鏡のように映りこんでしまうほど。

ロゴのプレートがシンプルで主張しすぎていないところもかっこいい。

ストーブファンや大き目のケトルを天板の上に置くと、雰囲気が出ます。

FIREGRAPHIXの名前が相応しいほどに、ガラス面はディスプレイを設置したかのようです。
火入れ
お楽しみの火入れのときが近づき、ワクワクです。

開口は小窓ではなくて、正面全体がガバっと開く構造なので、大きな薪も安心して入れられるサイズ感。
画像じゃ伝わらないのですが、開けたときの操作性が完璧なんですよね~。
扉についているグリップの動く時の滑らかさ、扉を開けたときの滑らかさ。
逆もしかり、閉じるときの扉の動き、グリップをロックするときの「嵌め感」、一連の操作が完璧すぎる。

中を覗くと構造的な特徴がわかります。
背面の下から吸った空気が循環する仕組み。正面のガラス面に空気が流れることで『エアカーテン』となって、灰やススを防止します。
美しいオーロラの炎を楽しむために、ガラスが曇らないようになっている。素晴らしい。
エアカーテンがあるからガラス面のピカピカを維持できるんですね。
他のアウトドア薪ストーブと全然違う。BLISSすげぇ。

さっそく火入れ。
着火し始めていますが、この前にガストーチでプレヒートをしています。
ガストーチの炎を炉内や煙突の根元付近に直接当てて温めると、冷えた煙突内に暖かい空気の層ができて、スムーズな上昇気流が発生しやすくなります。

よく乾燥した薪を使って、炎が育つまでじっくりと待ちます。
空気調整と温度上昇

ストーブ用の温度計を見ながら100℃~200℃に上がるところを目指します。

温度調整は正面右下にあるレバーで操作します。

正面のレバーを操作すると背面の吸気口が動きます。

開けたり、閉じたりして操作性を確かめるのですが、スムーズ過ぎてびびります。
なんと表現すれば伝わりますかねぇ、「高級オーディオ機器のボリュームを操作するような滑らかさ」です。マジで。

そんな滑らかさなので、火を弱くしたり…。

火を強くしたり…、自由自在!
炎をコントロールできちゃう。
液晶ディスプレイで炎の動画を見ながら、自分好みに調整しているような錯覚に陥ります。
煙の様子

温度が200℃くらいまで上昇しました。

ストーブ内が活気ずいていますが、煙が見えません。

外から煙突を見ても一切煙が見えません。
写真じゃわからないのですが、煙突の周りは蜃気楼のようにモワモワとしていて、熱い空気が出ているのが見えています。
つまり、我々が普段焚き火などをして「目がしみる~」とか言っている、目に見えている煙は未燃焼ガスってことなんですよ。
BLISSは炉内の高温環境で未燃焼ガスを再度燃焼させているため、煙がほとんど出ないんです。これすなわち、「二次燃焼」ってやつです。
楽しい薪スト時間
炉内の炎も本格的に燃え始めると、大きな薪も入れられるようになります。


楽しい薪スト時間がやってきました。

薪に炎が絡みついていきます。
眺めていると、モワっと火が着火する瞬間を見ることができます。

師匠は安全対策もバッチリ。一酸化炭素チェッカーもちゃんと備えてくれています。
七輪で炭火を熾すと鳴ります。
テント内はぬくぬくですが、薪ストーブだからと油断せずにこまめに換気をして空気を入れ替えましょう。

薪ストーブ内で燃えている薪がくすぶっていたとき、外の煙突からも白い煙がでていました。
それ以外だと、外側から薪ストーブ使っているかわからないほどに、透明な煙だけでしたね。

幕内22.3℃、外5.1℃。
テントの中はぬくぬくです。

熾火の様子がここまで鮮明に見れるのは感動的です。
焚き火で眺める炎もすきですが、まるで別格です。

熾火の状態なのに、こんなに近くで燃える様子を、まったく煙に邪魔されずに鑑賞できる。


顔に伝わる温度、身体の正面全体で感じる熱、わずかに聞こえる炎の音。
これは実際に味わってみないと気づけないことです。
至高と言っても過言ではありません。今までで体感したことのない炎を味わえます。
オーロラバーンの素晴らしい動画。うっとりしますね。
撤収、お片付けタイム
一晩お世話になったら、しっかりと片付けもしましょう。

まずはBLISS-SPの熱が冷めるまで待ちましょう。
煙突部分もかなり熱を持っているので、迂闊に触らないように注意です。

昨晩、炎のグラフィックを楽しませてくれたディスプレイは、真っ白の灰だけを残して余すことなく燃え尽きています。

お掃除グッズをBLISS-SPの元へ持ってきます。



パカっと開けて灰を掻き出します。
ちなみに正面ドアは抜き差し丁番になっているので、ドアを開けて上に持ち上げれば正面ドアが外せます。
内側のガラス面を磨くとき、正面ドアが外せる機構はかなり優秀。
ストーブ内部は余熱でまだ「熾き」が残っていることがあるので、必ず火消し壺のような完全消化ができて、燃えない入れ物に入れて下さい。
ザルが用意されているのは、灰を使うからです。薪ストーブの底の部分には灰を敷いておきましょう。

BLISS-SPは使用後に炉底へ薄く灰を残しておくことで、鉄板の保護と次回着火性の向上につながります。

白灰は毎回完全に取り除く必要はなく、家庭用薪ストーブと同様の扱いができる点も、本格派らしい設計ですよね。
周りに付着した白い灰は動物性の毛のハケを使用して払うと良いとのこと。燃えないし、溶けないですもんね。
動物の毛のハケが推奨される理由は、耐熱性だけじゃありません。微細な白灰は実は固いガラス繊維のようなものだったりします。だから、灰を引きずらず、BLISS-SP本体の焼き色や表面の質感を傷めずに払えます。
汚れを「落とす掃除」ではなく「払う手入れ」が似合うストーブ。かっこいい。

煙突も素手で触れるほどに冷めました。

組立てたときの手順と逆を辿りますが、次回のためにもスス汚れは落としておきましょう。
ブラシで煙突の内側のスス汚れを落としながら一個ずつ重ねて収納していきます。


全部掃除OK、バッチリですね!
続いては薪ストーブの廃棄ダクトの部分。


こちらもブラシでゴシゴシと…

キレイにして重ねた煙突はBLISS-SP本体の中へ収納します。

ガードの部分も本体に入れて、来たときと同じ状態へ。

車での移動中、煙突がガタガタしないようにくしゃくしゃにした新聞紙を詰めてドアを閉めます。

あとは収納バッグに本体を入れて、お掃除アイテムや着火アイテムを入れて、撤収完了です。

BLISS-SP専用のケースは取ってが付いていて持ち運びやすい。

車に積み込んで、また次回に備えて待機ですね。
まとめ
設営から撤収まで、一晩ガッツリと堪能させてもらったおかげで、徹底解説できました。
気が付けば、冬なのに焚き火をせずに一晩過ごしてしまいました。

BLISS-SPを使っていると「便利さ」「快適さ」よりも上位に「向き合う感覚」が残ります。
火を入れて、燃え方を見て…。
使い終わったあとは次回に備えて、整えて片付ける。その一連の流れに、無駄な工程はひとつもないように感じました。
灰を残すことも、ハケで払うことも、特別な作法ではなくて、素材と熱を理解した結果として、自然にそうするだけ。
焚き火台でもなく、家庭用ストーブでもない。火を「眺める」ことと「コントロールする」ことが楽しめる。

長く使うほど、味わい深くなっていくこと間違いなしですね。
拘りのアイテム。世の中的に認められている上位アイテムって感じです。
それって、珪藻土の切り出し七輪とも通ずるものがありますよね~。
良きアイテムに敬礼!あざっす!(師匠、ありがとーございまーす)
そして、七輪マスターを応援してくれている、あなたにも。いつもありがとうございます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


コメント