国産の木炭を使うことが環境に優しいんです!
なぜか?
七輪と切っても切り離せない「木炭」のことについて、あれこれ考えていますので、是非参考にしてみてください。
温室効果ガス抑制
温室効果ガス抑制は国際的にも社会的にも大きな課題になっています。
木炭を使うってことは森林を伐採するのだから、環境によくない気がするのですが…
もちろん木炭を作るには木を伐らなければなりません。
木炭の成分はほとんどが炭素ですので、燃やせば二酸化炭素も出します。
じゃあ、やっぱり環境によくないの??と言うと、それは違います。
樹木の年齢
樹木にも年齢があるのはご存知でしょうか?
樹木は若いときは成長に必要な栄養を体の中に蓄えようとして、光をどんどん吸収していきます。
若い木のほうが光合成が活発に行われているということです。
若い頃はたくさん食べるんだね。ボクと同じだ!
一方、歳をとった樹木というのは成長速度が極端に遅くなっていますから、若い樹木と比較すると光合成をあまり行いません。
若い樹木と比較すると二酸化炭素の吸収量は約半分以下になるとも言われています。
二酸化炭素をたくさん吸収してもらうには若い樹木がたくさん必要だということですね。
高齢樹木を適切に伐り、若い樹木を植林することで、最も効率よく温室効果ガスを削減できるようになるのです。
木炭をつくるには広葉樹が最適
樹木には針葉樹と広葉樹という種類があります。
針葉樹は玉伐り(たまぎり)するとそのまま枯れてしまいます。
広葉樹は玉伐り(たまぎり)しても枯れません。
伐っても枯れないって、どうゆうこと?
広葉樹には「なら」「かし」「くぬぎ」などの種類がありますが、切り株状に玉伐りしても、そこから大量に芽を出して残っている根の部分の養分を利用して成長していきます。
だから、広葉樹は伐るだけで、伐採+植林をしているのと同じ効果があるのです!
木炭の材料となる広葉樹を玉伐りすれば、切り株から出てくる若く新しい芽が二酸化炭素を吸収してくれます。
伐ってしまった古い丸太の部分は木炭として活用しても、森林は失われていきません。
江戸時代から学ぶ
我々の暮らし、ひと昔前は電気も石油もガスもなかったんです。
つまり、江戸時代ですね。
江戸時代には何が燃料として使用されていたのかと言えば、もちろん木炭です。
人々は料理にも風呂にも薪や木炭を使用してきました。
日本に住む人が全員「木の燃料」を使っていたの?
日本に住む人々全員が「木の燃料」を使用していたのです。
それでも山が丸坊主にならずに済んでいるのです。
「木の燃料」を得るために山の木を伐っていたことが山にとっては良いことだったのです。
竈門炭次郎(かまど たんじろう)
竈門炭次郎(かまど たんじろう)さんをご存知でしょうか?
そう、大人気漫画「鬼滅の刃」の主人公です。
炭次郎さんは炭焼きを職業としていて、籠にいっぱいの炭を入れ、それを背負って町へ売りに出かけていました。
炭次郎さんが生活していたのは大正時代ですが、大正時代でも炭は人々の生活のライフラインでした。
炭焼きが職業として存在し、生活の燃料として木炭が使用されてきたことが、とてもわかりやすく表現されています。
伐採ではなくて、択伐をしていた
森林は伐採ではなく、択伐(たくばつ)をしていたんですね。
択伐というのは適度な木を選んで気を伐る作業です。
不要な樹木を伐ることで、火の光が地面に差し込み、下草が育ち、山そのものがバランスよく保たれていたんです。
高齢の樹木は切り落とされ、立ったまま枯れてしまう立ち枯れなどが発生する前に、樹木は適切に刈り取られていたんです。
人々は山から「木の燃料」を単純に調達するだけではなく、里山を健康な状態に守り続けてきたんですね。
里山の整備は土砂災害も防ぎ、キレイな水ももたらし、多くの生き物が暮らせる場所として、山を健康に保っていたというワケです。
国産の木炭を使うことを考える
「この紙はリサイクルしています」のような、表示を見たことがありますか?
私は名刺交換をしたときに、お客様の名刺に記載されているのを見たことがあります。
不要となった木を使用して紙として再生するなんてとても環境に配慮されていますよね。
日本で森林保護をしたいなら、先に述べたように里山に入り択伐をして、山を整備していくことだと思います。
そうして択伐して不要となった樹木を使用して、割り箸などへリサイクルされていけば環境に優しいと思うのです。
だから私は「国産の木炭」という言葉に拘っています。
もし、あなたが使用する木炭が海外の樹木で、しかも択伐ではなく木炭を作る目的だけに伐採されている樹木だとしたらいかがですか?
それじゃ全然環境に優しくないよー!
そうですよね。
木炭を作る目的だけに海外で伐採された樹木を、海外で木炭に加工してから日本に輸入しているとなると…。
う~ん、環境に良いとは言えないような気がしますよね。
日本では輸入製品が安いので、国外の樹木がたくさん輸入されています。
ベッドやテーブル、椅子など様々な木製品の材料が国外樹木です。
日本では人件費が高いので里山に入り択伐を行う人も減っています。
たくさんの高齢樹が立ち枯れしていて、本来なら適切に択伐されて不要な木として処理されるハズが、整備する人がいなくなっています。
里山を放置すると、いつまでも若い芽は伸びず、二酸化炭素は吸収されず、下草への光が遮られて不活性な山になります。
立ち枯れた木がいつ倒れてくるかわからない、一般の人は危ないから「立ち入り禁止」なんて里山もあります。
少し値段は高くなるかもしれませんが、こうして「国産の木炭」に拘ってみると、そのことがもの凄く環境に優しい取組みなんだと実感できると思います。
まとめ
まとめておきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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