言語化できない満足感を…
まずはこちらの公式URLをご確認していただきたい
今回の記事は、YANOYAOUTDOORのチーボウさんの呼びかけによって開催された「オフ会」で、TOKYO CRAFTSさんから提供されたスパイスを使ったローストビーフの物語である。
最高のローストビーフを求めて…
チーボウさんから示された座標を見て、私は一人納得していた。
「やっぱり…」
「自宅からクッソ近い…」
そうなると当然、自宅からオフ会会場までの道が脳裏に浮かぶ。
「あそこで牛肉の塊を仕入れよう」
そして仕入れたのはタスマニアビーフ、もも肉の塊である。
ローストビーフには良質な赤身肉が不可欠だ。肉の色と脂身、そして質感を見極める。
店頭に並んでいるときに肉に触れることは許されないが、触ったときの弾力をイメージし、ひと際深い赤色をしていたこの肉をチョイスした。
ローストビーフが作れるサイズのしっかりとした塊肉で、肉の繊維も綺麗に詰まっている。
間違いなくこの店で一番の肉をチョイスした。
炭火の神、七輪の監修を受ける
自宅から近いとは言え、初見のフィールド。
徒歩で移動することを想定していたため、七輪を持ってくるのは諦めざるを得なかった。
今回はローストビーフの行方を見守る炭火の神様として、この神々しい白いミニ七輪に監修していただくこととする。
風が心地よく吹き抜ける夕暮れのとき、私はミニ七輪の前で炭火の神様に一人感謝の気持ちを胸に秘めていた。
「炭火の神様、あなたのチカラが無ければ私達は暖かさも美味しい料理を味わうことも得られません。あなたの恵みに見合うよう、心を込めてローストビーフを焼き上げて見せます。どうか、私をお見守り下さい」
祈りを捧げ、少し汗ばんだ額を拭った私はいよいよ料理を開始するのであった。
拘りのスパイス
キャンプで作る肉料理はとことんスパイスに拘る
それが、大人のスパイス。
燻製パプリカ、強めのガーリック、数種類のハーブ。
手間ひまをかけて作られたTOKYO CRAFTSのスパイスはごくごくありふれたキャンプスパイスとは一味も二味も違う。
牛肉の旨みを引き出すための究極のスパイス『滾 TAGI』
しっかりと密封された袋を優しく開けると、空気中に広がったのはまるで宝石のような香りだった。
開封時の最初の香りが私の鼻をくすぐると、心の奥底から感動が湧きあがる。
まるで、遠い異国から届いた贈り物のような特別感に圧倒されてしまう。
ブラックペッパー、パプリカ、ほのかにガーリックの香り、そして絶妙にブレンドされた様々なハーブの心地よい香りが空間を満たすように、心を穏やかにしていく。
燻煙効果
昼間のうちに集めた薪木の中から、しっかりと乾燥した杉の木を避けておいた。
乾いた杉の皮を燃やしたときに、立ち上がる煙の香りを覚えているからだ。
バトニングによって木の繊維に沿って独特の形状に割れたその断面からは、針葉樹の優しい香りを感じる。
この割った杉の木を使って肉に燻煙効果を与えるのだ。
バトニングしたばかりで香りが残る断面に惜しみなく『滾 TAGI』を振う。
そして『滾 TAGI』の上に、タスマニアビーフをそっと横たえる。
杉の木は加熱され燃焼する。立ち上がる煙がタスマニアビーフに絡みつき豊かな香りと風味を与えるのだ。
燻煙効果を与えるためには、火加減や杉の木の配置、炭火の配置を微調整する必要がある。
ローストビーフは燻製料理ではない。
しかし、香り高い杉の木から生まれる燻煙効果は、努力の結晶となり、口に運ぶ者に極上の味わいをもたらす。
燻煙効果はあくまでもさりげなく、せっかくの大人のスパイスの宝石のような香りを邪魔することは許されない。
時には煙の量や焼き時間を調整し、理想的な仕上がりを目指す。
気づくと私はウットリとした表情で鼻をくんくんと鳴らしてしまう。
長い旅路、ロースト
「よし、燻煙効果はここまでだ」
杉の木から網の上へと静かに肉塊を移動させ、炭火による調理へと移行する。
直接火があたらないように、じわりじわりと加熱していく。
ときおり炎が舞い上がる。焚き火台の前に静かに座っている私。
気が付けば一点を見つめ、その先には真っ赤な炭火が踊り続けていた。
私は丁寧に肉を焼く作業に一人没頭していた。
長い料理の間、私は肉が焼ける様子をじっと見つめていた。
そしてその瞬間が訪れた。
肉の表面が焼け、焦げ目を帯びる。私はトングをしっかりと握り、静かにゆっくりと肉をひっくり返す。
その動作はまるで、スローモーションにした居合切りのように洗練されていて、その一瞬が全ての重みを持っていた。
肉がひっくり返されるその瞬間、滴る脂に炭火が反応し、炎が一瞬高く舞い上がる。
その瞬間私の心は一瞬にして満たされた。
まるで時が止まったかのように、周りの世界は静寂に包まれていた。
それからしばらくの間、肉の周囲をぐるっと一周加熱するまで、また長い時を過ごすのであった。
カット
肉の表面はスパイスをまとい均一に焼けていて、美しい焦げ目が完成している。
取り出した肉を丁寧に切り分ける。
切れ味が良いのはナイフの性能だけではない。表面がしっかりと焼けている証拠である。
カットした肉の内側から溢れるジューシーな肉汁が、ローストビーフの成功を物語っている。
これはただの料理ではない。
カットしたときの肉の弾力、溢れる肉汁、鮮やかな色味。
情熱と技術、料理への愛情、その全てが集約された特別な瞬間だった。
ひとカケラの宝石
カットした瞬間から期待に満ちた空気が広がっていく。
最初の一切れはまるで宝石のように輝き、中央の鮮やかな赤色が食欲をそそる。
誘惑に駆られた私はトングのままその一片を食べる。
「…美味い」
口の中には肉の柔らかさとジューシーさが広がる。
香り高い『滾 TAGI』の存在が舌の上で踊り、そして口の中をいっぺんに刺激する。
私の心は幸福で満たされ、感動の余韻が胸いっぱいに広がる。
その一切れのローストビーフはそのあとの全ての成功を私に約束したのだった。
『滾 TAGI』への賛辞
私は一人、頷いた。
「この感動は皆に食べてもらう以外にない」
残りの肉を均等な厚みに丁寧に切り分けた。
どの断面も赤色が美しく輝いて見えた。
コッヘルに取り分けたローストビーフに追いスパイスを施し仲間の元へと急いだのだった。
焚き火の炎が揺らめく中、オフ会の参加者が集まる一つの輪の中に主催者のチーボウも座していた。
『滾 TAGI』のチカラで最高に仕上がったローストビーフは、その美しさからこの会に集う友人たちに感動を与えた。
箸を待たずに手づかみで一切れずつ手に取り、スパイスの芳醇な香りと共にローストビーフを口へと運ぶ。
友人たちは舌鼓を打ち、驚きと感動を込めた賛辞を送った。
「このスパイスは凄い!」
ローストビーフの柔らかな質感とジューシーな味わいは、彼らの口の中でも踊り、それぞれの心を満たしていった。
満足げな笑顔の友人たちを眺めていた私は言葉を失って、楽しい時を共有している時間を噛みしめていた。
YANOYA OUTDOORオフ会
星が輝く夜空の下、友人たちは集い、暖かな感動に包まれていた。
笑い声が広がった、YANOYA OUTDOORのオフ会は友情と美食が結びつき、後世に残すに相応しい大成功の集いとなった。
TOKYO CRAFTSのスパイス、『滾 TAGI』
それは料理の魔法使い、野営地の騎士。肉塊に魂を吹き込み、深みと複雑さを与え、人々の心を満たす。
YANOYA OUTDOORのオフ会は『滾 TAGI』なしでは語れない。
TOKYO CRAFTSに感謝の念を込めて、敬意を捧げたい。
素晴らしいスパイスをありがとう。
YANOYA OUTDOOR、TOKYO CRAFTSのスパイス、忘れることのできないローストビーフ。
この感動は私の心に永遠に刻まれることだろう。
コメント